ざく、と土に鍬を入れる。何度か収穫して疲れてきた土に栄養を与えるため、掘り起こして、そこに何種類か肥料を混ぜ、また耕す。そうして一週間かそこら置き、十分土を休ませれば、次に植えたものもちゃんと育つ。
「ラビぃ」
 額を伝った汗を拭い、落ちてきた髪をバンダナで押し上げる。呼ばれて振り返ると、が頑張って二輪の台車を引いていた。いっぱいいっぱいの顔で思いっきり引っぱってるものの、台車はあまり動いていない。
「あー、いーよそんな力仕事! オレ今行くからっ」
 鍬を土に刺して慌てて駆け寄る。軍手はしているもののどこからどう見ても華奢な女の子が肥料がいくつも積まれた台車を引っぱっている姿は似合ってなくて、「重いねこれ」と手をぷらぷらさせるに「まーな」と返して代わって取っ手を握って台車を引っぱる。
 オレはこれに慣れてるからそうでもないけど、には厳しいだろう。なんたってオレと違って女の子なんだから。
 首に巻いたタオルで汗を拭う姿から意識して視線を剥がし、ガラガラと台車を引っぱる。土を耕した畑の前まで持っていってゴトンと取っ手を下ろす。
「じゃ、こないだみたいに順番に肥料やってってくれる? 合わせて耕すからさ」
「うん」
 頷いた彼女がバケツの中から肥料をやるとき専用の大きなスコップを取り出す。袋の一つに突っ込みながら「ラビは、今までこれを一人でやってたの?」と訊ねてくる。鍬を肩に担いだオレは「まーな」と笑った。
 そう、今までこういう農業も一人でやってた。田舎でできることなんて限られてたせいもあるけど、村の中にスーパーなんて便利な店はないし、あったとしても個人営業の気紛れ開店な八百屋くらいだったから、自作した方が早いし確実だって思ったんだ。
 ざらざらと肥料を降らせるに、鍬を持って土を耕すオレ。
 傍から見たらどういうふうに見えるんだろうか。髪色も人種も違うオレ達がキョウダイであると気付くのは通りかかった人のうち一体何人だろう。
「ねぇ、ラビ」
 ざく、と土を耕しつつ「んー」と返事をすると、肥料の袋にスコップを突っ込んだがよく分からない顔をしていた。「ラビは、ユウのこと嫌い?」と問われて、ざく、と土に鍬を入れた姿勢で一瞬固まる。が、すぐに動き出して鍬を引っこ抜く。「なんで?」と逆に問い返すと彼女は曖昧な顔で笑った。
「ユウはあんまり愛想いい人じゃないから……この間、朝なのに急に押しかけてきたりして、ラビ、怒ってたでしょう」
「あー。んー、まぁな」
 オレは返事を濁して、視線も迷い、結局土を耕す手元の鍬へと落ち着く。
 確かにそれもある。普通なら朝食の時間に家にやって来て挙句勝手に上がり込むとかどういう神経してんだ、と相手の常識を疑った。
 だけどオレがあのとき感じたことは、怒りよりも、恐怖に近かった。
 降ってきたようにオレのそばに降り立ったが、キョウダイと思えないかわいい女の子が、取り上げられる。ぎこちないながらも一つ屋根の下で過ごした時間が引き裂かれる。が行ってしまう。オレはまた一人になる。この片田舎で一人朽ちていく。それが恐ろしかった。
 オレは、ただ怖がっていたのを強がって怒ってみせていただけ。
 は、そんなオレに気付いてないだけ。
「本当はいい人なの。無愛想だけどね」
 がユウのことを庇うから、オレは適当に笑って「ー肥料」と止まっている彼女の手を促した。「あ」と気付いた顔でスコップで肥料をすくい上げる姿を眺めて、足元の土に視線を逃がす。
 ああ、そうだろうな。いい人なんだとして、それはにだけなんだろうけど。
 あいつは間違いなくを好いてる。そんなの、同じ男であるオレから見ればすぐ分かった。
 ただ、彼女は気がついていない。
 古い顔馴染みで、母親が死んでしまったときにお別れを言う間もなく連れ出されてそれっきりだったと、彼女はユウについてそう言っただけだ。よくしてもらっていた、と。そこに友人に対しての思い入れはあれど、好きとか、そういう感情はなかったと思う。
 はオレと同じなんだ。
 ろくでなしの父親のせいで縛られた人生を送ってきた。オレの母親は酒浸り、彼女の母親は病を抱え、お互いそれぞれ過ごすべき幼少期というものを過ごせずに生きてきた。オレ達は外見の年齢よりずっと子供だ。最近、それをよく思う。一人じゃ知らないフリをしてきた現実も、もう一人そばに人がいれば、嫌でも目に入れることになる。
 認めよう。オレはまだ子供だ。ガールフレンドの一人も作ったことがない。学業は12歳のそれで止まっていて、必要なことだけを選んで吸い取った知識だけで育った。本を読んだりテレビを見たりして世界を知った気になっているが、実際オレが知っている場所なんていうのは世界の極一部でしかなく、オレは知らない。たとえば、この年頃の子に流行ってるものとか、ファッションとか、芸能界の話題とか、何も知らないんだ。
 そしてそれはも同じだった。
 病気を抱える母親の世話をしながら学校へ通ったせいか、オレより勉強はできないが、何でも一生懸命やる。オレの自作農園の配置もメモ、水遣りの仕方もメモ、何でも憶えようとする。母に代わってやってきたからと家事炊事は年齢とかけ離れて経験豊富で、容量もよく、家計を任せても上手にやりくりする。でこぼこしているのはオレと同じで、知っているもの、知らないものの差が大きい。
 経験したことがないものなら誰だって知らない。分からない。それは当たり前のことだ。

 だからオレ達は〈恋〉を知らない。

ー無理すんなよー」
「はぁーい」
 ホースの口を持って水遣りをしてくれるの姿を眺める。
 風に揺れる金色の髪。飛ばされた雫が陽の光を反射してきらきらと彼女を彩る。
 台車に尻を預けてはーと深く息を吐き、うなだれるように顔を俯ける。
(…ダメだぁ)
 映画の中に出てくるどこからどう見てもスタイル抜群の女優じゃなく、テレビの中でちやほやされる同年代でもなく、キョウダイである彼女を好きになってしまった。好きだという気持ちが抑え込めない。どうしても。どうしても、彼女の笑顔に癒され、心を救われ、一緒に過ごす時間が幸せで仕方ない。
 自分からこれを手離すなんて。オレにはできそうにないよ。
「はぁー…」
「辛気くせぇ息吐いてんな」
 ざく、と第三者の足音がして、振り返らずともその声の持ち主を知ってたオレは顔も上げなかった。「なんだよ、今日も来たのか」「ったりめーだ。てめぇは信用ならない」「はっきり言ってくれるなぁ…。それはオレも同じだっつの」よ、と台車から降りて振り返る。長い黒髪を頭の上の方で一つにくくっているユウが相変わらずの仏頂面でそこに立っていた。
 相変わらず美形だなこのクソ。お前が来ると色んな意味で悪目立ちするんだって自覚しろ。
 汗を吸ったバンダナを取り払って髪をわしゃわしゃさせる。あーシャワー浴びたい。
 適当に髪を払ってちらりと視線をやる。ユウはオレなんか見てなくてまっすぐにのことを見ていた。
 上機嫌に何か歌を口ずさんでいるその声が、風に乗って微かにここまで届いてくる。
 地平線の向こうへ沈んでいく夕陽。電線の見当たらない田舎の自作農園で水を撒く少女。なんて絵になる構図なんだか。
「お前、あいつのこと好きなんだろ」
 ぼそっとぼやいた声に、オレは答えない。聞こえなかったことにする。その方がオレのためで、ユウのためでもある。
 農地には似合わない革靴でざくっと土を踏み締めたユウが、「お前には渡さねぇよ」と宣戦布告して、のいるところへと歩いて行く。
 せっかくの革靴やスーツが汚れることも厭わない、こんな田舎まで彼女を捜しに来る、あいつの想いは本物だ。そしてそのうちはそのことに気がつくだろう。
 …いいじゃないか。それで。二人ならお似合いだろう。ユウがの昔馴染みなら、オレより彼女を理解しているはずだし、オレよりもずっと、想ってる時間だって長い。
 でもオレは。
 ざわりと風が吹いた。視線を上げる。ユウに気付いたが笑顔を見せる。きっとおかえりとか言ってるんだろう。答えるユウの方も無愛想なあの面ではなく、にだけ見せる顔で笑っている。
 そこに射し込みオレの視界を焼く斜陽が、入り込む余地なんてないと告げていた。
 それでも、オレは。
 手の中でぐしゃっとバンダナを握り潰す。台車に寄りかかって背中を丸めて、でもさぁ、と独り言をこぼす。
(でもさぁ。好きなんだよ、オレも、君のことが)
 当然のように夕食が終わるまで居座るユウと合わせれば、用意する食事は三人分になる。オレは手伝ったが、ユウはその間ノーパソを開いてソファに陣取り、書類なんかを見比べながら仕事っぽいことをしていた。
 まっすぐ馬鹿なのかと思ったらそうでもないらしいユウは、ここから車で十五分の町に住んでいるらしい。
 オレ達がいるこの片田舎がクソ親父の権力下にあると知っているらしく、その監視の目に引っかからないようギリギリの場所を選んで就職し、わざわざ仕事が終わってからこっちに来て、問答無用で夕食を一緒に食べて、そして帰っていく。最近はその繰り返しだ。
 食べてった分はちゃんと金を置いてく無駄に紳士な辺りもまたムカつくところだ。
「そういえば、ユウはどんな仕事をしてるの?」
 今気がついたって顔でがそう声をかける。ノーパソのキーを叩くユウはこっちを見もしない。「あ? 別にいいだろ、なんだって」「気になるよ。ねぇ」そんでがオレに話を振るもんだから適当に笑っておいた。オレは特に気にならないってのが本音だし。
 昨日の残りもんであるシチューをあたため、スライスしたパンにチーズとハムを切れば、その日の夕食が完成した。一人用から二人用に新しく購入したテーブルは、三人分の食事がちょっと狭い間隔で並べられている。
 こりゃあもうワンサイズ大きなのを買わないとならないかもなぁと思った自分にはっとして、いやいや、ユウはただの疫病神だし、とあいつを入れての食卓のぐあいを考えていた自分の頭を一つ叩いた。
 そうだ。ユウは本当ならここにいないし、いらないんだ。
 でも、多分、には必要だ。…そのことにも気がついてはいる。
「ご飯だよユウ」
「ああ」
 ぱたん、とノーパソを閉じたユウと、エプロンを外したと、一足先に席についたオレ。
 椅子の一つが予備の木の丸椅子だったけどユウは黙ってそれに腰かけた。に予備の硬い椅子になんて座らせないって選択だろう。
 対してだけは紳士だったりするよなこいつ。この美形め。褒めてないぞ貶してんだからなこのクソ。
「では、本日もいただきます」
 合掌し、消したままだったテレビをつければ、その辺りにありふれている食卓の風景というのがこの家にも再現される。
 ユウは普段の無愛想な面の通り、進んで話をする奴じゃないから、に話しかけられるまで黙って食事をしている。オレは話題さえあれば話はする方だったから、適当に回したチャンネルの中のとっつきやすいもの、あるいは気になったものを取り上げてに振る。で、彼女が答えて、さらにユウに振る。それでユウが何か返す。またはが気になった話題をオレとユウに振る。会話のバリエーションとしてはだいたいそんな感じか。
 …ユウを挟んでいるというのは相変わらず気に入らないけど、少し助かっている、というのも本音だ。
 ユウのいる今、オレはばかりを意識せずにいられる。キョウダイとして見ることはまだできないけど、意識しないでいられる時間があることには、内心ほっとしてもいた。
 オレとの生活の中に急に現れたユウだけど、劇的に状況を変える、なんてことできるはずがない。そんなことをしようとすれば間違いなくクソ親父の目に留まって何らかの処分を食らうと決まってるからだ。ユウもそこんとこを考えているからこそこの村に越してくることなく隣町へと就職、定住を決めたのだ。
 ……もしユウが本気でを連れ出すことを目標にしているのだとしたら。きっと、今の職で金を貯めて、親父の目の届かないところまでを連れて逃げて一緒に暮らすとか、そんなんだろ。それくらいオレだって思いつくし。
 だけどなユウ。お前は分かってないよ。ろくでなしの親父がどんな奴か、どんだけオレらのことを監視してるか、気付いてないよ。
 お前がここに勝手に通うようになってもう一週間だ。この村のどこに監視の役目を担う奴がいるのか知らないけど、親父は絶対に気付いている。オレ達のところへ通うお前って不穏分子の存在に気付いている。そのうち手を打ってくる。いや、今まで手を打ってこなかったのがむしろ遅すぎるくらいなんだ。
 なぁ、だからさ、そう簡単にはいかねぇよユウ。
 オレ達を絡め取る鎖は冷たくて、絶対的な強度を誇ってオレ達を縛りつけている。そして、オレ達キョウダイを絡めるその鎖はしっかりと地面に打たれ、緩むこともない。
 その冷たいことと硬いことにすっかり慣れたオレはもう抵抗する気力すらない。
 隣で好きな子が悲しそうに泣いていたって、大丈夫だよ、と強がって笑うこともできない。いつか解けるさなんて無責任で楽観的なことは言えない。オレがいるだろだいじょーぶ、と笑えない。
 そこへ颯爽と現れたユウが、彼女を縛る鎖に取りつき、外そうと試みたって、無駄なことだ。泣くなと声をかけるのも無駄なことだ。悲しそうに笑ったと鳴り響く警鐘の音で、ユウ、お前はすぐにここから連れ出され、そして、もう二度と彼女に触れられることはない。
「おい」
「はい?」
 お風呂の用意をしてくると出て行ったと、その間に食器を片付けるオレ。相変わらずノーパソを睨んでいたユウがふいに立ち上がってこっちを睨みながら声をかけてくるので、食器の泡を洗い流しつつ生返事。ユウはこっちに歩いてくるといかにも気に入らないって顔で腕組みしてぼそっと、「こっちへ来るバスの本数が急に減りやがった」とぼやいた。
 皿の最後の一枚を洗い終えて水を止める。
 バスの本数が減った。それも、急に。なるほど、手を打ってきたわけだ、親父。
「そんで?」
「お前車の運転は」
「免許なんてあるわけないっしょ。教習所なんて親父が許すはずない。つか、あったとして、お前を迎えに行くとかぜってーイヤ」
「そんなん俺も死んでもごめんだ。で、運転はできるのか」
「…話聞いてた? だからオレは免許なんてないし運転は……」
 同じことを言いかけてはたと気付く。こっちを横目で睨んでるユウに二度問われて、村のおっさんに教えてもらって憶えた軽トラのことを思い出したのだ。
 こんな田舎だから、村の中でさえ気をつけていれば、通販で買った農具肥料その他を運ぶには二輪台車を引っぱるより軽トラに積んで運転した方がはるかに早かった。憶えのいいオレはすぐに軽トラを動かせるようになったし、最近乗ってなかったけど、必要なときは村の人に貸し出してもらっていた。
「…軽トラならできっけどさ」
 タオルで手を拭いつつそう返すと、ユウは一つ頷いた。「いざってときは頼む」とか言われて「はぁ?」と顔を顰めるオレ。いざってときってなんだよ。意味分かんねぇ。
「で、畑はいつ空になる」
「今日はこないだまで収穫してたじゃがいもの土に肥料入れたとこだけど…つか、基本野菜自前だし、切らさないように作ってるに決まってるっしょ。つーか何なんだよさっきから、説明しろよ」
 ばさっとタオルを捨てたオレに、ユウが視線を流して、お風呂の準備をして戻ってきたを見た。オレのことなんて無視だ。「ユウ、もう帰るんでしょう? 最終便来るよ」「ああ」そのままオレをスルーしてノーパソ、書類その他を革の鞄に突っ込んでリビングを出て行く。彼女がいつものように玄関先まであいつを見送る。
 …何なんだよもう。本当意味分かんねぇよ、この、無駄に美形が。
 ……ダメだ、これはオレにダメージが来るだけの暴言だ。他の貶し方を考えよう。
 運転。軽トラならできるけど、免許は持ってないし、警察なんていない田舎でだけ通じる話だ。
 農園の野菜は基本切らさないように作ってるから、空になることはまずない。何かしら植えているし、収穫の目途を立ててる。六年そうやってやってきたんだ。それなりに本を読んだし自分なりに工夫もしてきたし、肥料だって買いつけて、農具だって借りてたのを自前で買ったりして、やってきたんだ。
 あの野郎、一体何が言いたいんだ。説明しねぇしさっぱり分かんねぇよ。
「ラビ?」
 ひょこ、とリビングの入口から顔を出したが手招きする。首を捻りつつそばに行くと、細く開いたままのドアを指して「ユウが呼んでくれって」と外を示して、風呂の様子を見に行った。
 …つくづく分からん。人種が違うとこうも色々違うのか。いや、ユウが日本人の典型ではないってことは分かってるんだけど。
 仕方なく外へ出るとユウが待っていた。イライラと踵で地面を叩いて「おい」と鋭い声を飛ばされ「なんだよ」と言い返す。じろりとこっちを睨む黒い瞳を負けじと片目の視界で睨みつけ、数秒。先に視線を外したのはユウの方だった。
「ここがなくなったら、どうなると思う」
「は? 何が。何のこと」
「この村がなくなったらお前らの家はどこになるかって訊いてんだ」
 …これもまた意味不明な発言である。
 やっぱユウって変なんかな。いや、そんな気はしてたけど。とりあえず首を捻って考え、この辺りの地理を頭の中に思い浮かべて「そりゃあ、ユウがいる町の方になるんじゃねぇの。この辺りほんっと田舎だし、こっから先はまだ電気通ってない未開地に等しいし。そこがこっから一番近いしなぁ」オレがそう言うとユウは浅く頷いて「そういうことだ」と言ってさっさと石畳を蹴って明かりの届く敷地内から出て行った。
 いや、そういうことだって何が。さっぱり分からん。
 全身黒っぽい姿のユウが田舎の暗闇に紛れて見えなくなる。聞こえる足音がかろうじてまだその辺りに人がいるってことを示してたが、それすらなくなると、どの辺りにユウがいるのかなんて分からない。懐中電灯でも持たないと道を踏み外すぞユウ。オレだってたまにやるんだから。
 まぁ、いいか。ユウが泥だらけになったらそれはそれですっきりする。
 家に戻ってドアを閉めてしっかり施錠。「ラビーお風呂もうちょっとだよ。お先にどうぞ」との声が聞こえて、「へーい」と返事をしつつ、ドアノブから手を離す。
 そうして、今日も一日が暮れていくのだった。